年が明けてすぐの小寒(1/5)から立春(2/3)までの約1か月間の「寒中」は、一年で最も寒さが厳しくなる時期。
この時期は、口角炎になったり、胃腸炎に罹ってしまう方が増えます。
今、あなたやお客さまの体からは、このようなサインが出ていませんか?
その原因の1つは、年末年始にいつも以上にダラダラと食事を摂り過ぎてしまい、胃腸の疲れから起こる場合もあります。
しかし、実際は年末年始に暴飲暴食はしていないという人でも、この時期に口角炎や胃腸炎になる人が多くいます。
そこで、その事について漢方の智慧を使ってお話したいと思います。
内臓が冷えると、消化能力も低下する!
下記の図のように、万物は「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(こん)・水(すい)」の五つの性質から成り立つという「五行」という考え方があります。
漢方では、人の体の働きをこの五行に基づいて五つに分けたものが五臓です。
その五臓は、1つ1つが単独で働いているのではなく、全てが連携して働いています。
そこで、自然界の中で栄養を与えて生長させる「土」の性質を人の体の働きにあてはめると、五臓の「脾」になります。
五臓の「脾」の代表的な働きは、食べた物を消化吸収して体を動かすエネルギー「氣」や栄養である「血(けつ)」に変換すること。
この部分の働きを西洋医学でいうと、胃腸の働きに該当します。
この「脾」がよく働くためには、「土」の母にあたる「火」がしっかりと働くことで「土」の働きを補う(相生する)ことができます。
つまり、内臓を温める「火」の部分の働きがしっかり働いていることで、「脾」も元気に働いてくれます。
しかし、この「火」の部分が体質的に弱い方や外側の寒さが厳しいこの時期は、その影響を大きく受けて内臓が冷えてしまい、胃腸の働きが弱くなります。
そうすると、普通に食べていても消化のキャパオーバーになり、体の悲鳴として口角炎や胃腸炎というサインでお知らせしてきます。
そのため、暴飲暴食していないのに、この時期に口角炎や胃腸炎の症状が出るという方は、胃腸の働きを意識的にバックアップする必要があります。
特に、こんな体の状態で内臓冷えが隠れている方は要注意です。
体は、私たちに気づいてほしくてサインを出しているだけなので、気づいて対応すれば、サインを出さなくなります。
口角炎や胃腸炎以外にも、こんなサインが出ます
- 風邪やインフルエンザに罹りやすくなる
- 胃のもたれなど、胃の不快感が続く
- 食後や日中の異常な眠気が出るなど
この時期に胃腸の働きをバックアップする方法には、大きく分けると下記の2つです。
1)胃腸が働きやすい環境にしてあげる
・大根、白菜、かぶ、玉ねぎ、キャベツなどの消化を助ける食材を積極的に摂る。
お正月に消化を助ける大根で作る「なます」を食べたり、お正月明けに七草粥を食べることは、とても理にかなっています。
・胃腸を温めるスパイスをお料理やお茶などで摂る。
下記は、胃腸を温めるスパイスです。
( )の中は、漢方薬の材料として使われる名前です。
シナモン (桂皮:ケイヒ)
カルダモン (小豆蒄:ショウズク)
クローブ (丁子:チョウジ)
フェンネル (茴香:ウイキョウ)
ナツメグ (肉豆蔲:ニクズク)など
例えば、Amazonでも買えるサマハン(アーユルヴェーダティー)というお茶は、胃腸を温めるスパイスが手軽に摂れて便利です。
2)胃腸の負担を減らす
・消化の良いものを少量食べる。
・断食やファスティングなど胃腸を休める日をつくる。
それでも、内臓が温まらなかったり、胃腸の働きが今一つという方は、体全体のバランスを診ることが大切です。
必要なら市販の漢方薬のアドバイスもしますので、自分の体質を知って生活を快適にしたい方は、下記の個人セッションをご活用ください。
また、太ったり、胃もたれするのは、今回ご説明した五臓の「脾」だけの問題ではありません。
漢方で太ったり、胃もたれする原因は、内臓それぞれの働きがベストパフォーマンスを発揮できずに、体内に老廃物が残ってしまうからと考えています。
どうすれば、それぞれの内臓の働きがベストパフォーマンスを発揮して体内に老廃物を溜め込まないかを好きな時間に学べる漢方動画講座「発陳編」で詳しくお話しています。
太ってしまった、胃もたれする、子宮筋腫が大きくなったなど、不要なものを溜め込むことで起こる不調を感じている方は、ぜひご活用ください。
しかも、この時期に「発陳編」でお話している漢方の智慧を使って体内に溜まった不要なものをデトックスすることで春の花粉症予防にもなります。
無意識のまま、いつもと同じ生活を送るのではなく、日々の中で常に変化している体からの声(サイン)を受け取ることが大切です。
このように漢方を武器にして健康をサポートしたり、ご自分のセルフケアに使うには、いろいろなコツやポイントがあります。
そのコツやポイントを下記の無料メール講座でお伝えしています。