漢方で私たち人の体は、「氣」「血」「水」という3つの成分で作られていると考えています。
氣-生命エネルギー、免疫力。
血-血管のなかを流れて全身に栄養を運ぶもの(血液だけではない)。
水-体のなかにある正常な水分のこと。
この氣血水が不足したり、流れが悪く滞ることにより、症状(不調や病気)があらわれます。
恒常性(ホメオスタシス)は、氣で支えられている
私たちの体は、外気温が5度になっても体温が5度にならず、36℃前後に体温を保ってくれています。
この働きは、恒常性(ホメオスタシス)といい、漢方では、生命エネルギーである体内の「氣」の力の働きです。
そんなことから、寒さや暑さが厳しく体温を調節する状況が多くなると、自動的に体内の「氣」を一生懸命に使っていることになります。
そのため、いつもと同じように動いていても、寒さや暑さが厳しい時期は、「何だか疲れる」「何だか眠い」「いつもより食欲がない」など、何となくの不調を感じやすい。
これは、生命エネルギーである「氣」が体温を維持するために消耗しているからです。
この「何だか疲れた」という体からの声(サイン)は、車でいうとガソリンの給油サインがピコーンっとついたのと同じです。
ここで「氣」を補わないと、体内は燃料切れになり、「氣」の働きが悪くなります。
そうすると、「氣」は体内にウィスルや細菌などの邪気が侵入しないように防ぐ働きもあるので、疲れだけでなく感染症に罹ってしまうこともあります。
寒さが厳しい冬は、「活動し過ぎに注意!」と、伝えているのもこんなことからなんです。
どのように氣の量を知ったらいいのか?
体内の「氣」の量は、持って生まれた燃料タンクの容量の違い(体質)や生活習慣で決まります。
「氣力がみなぎる」という言葉があるように、体内に「氣」をたくさん持っている人は、寒さで「氣」の消耗が多い冬にたくさん動いても大丈夫なんです。
そのために、「疲れた」「眠い」「だるい」などの体からの声(給油サイン)を見逃さないことが大切です。
冬に何だか眠くてよく寝るというのも、休むことは、「氣」を補う養生の1つなので理にかなっています。
だから、漢方では冬や疲れた時は、十分に睡眠をとることをおすすめしています。
人からの優しさや温かさも「氣」
疲れた時に「はい、どうぞ」と温かいお茶を一杯入れてもらって、飲んでほっとしただけでも何だか元気になります。
これは、「氣」は目にみえませんが、お茶を入れてくれた人の「氣」という生命エネルギーをもらっているからです。
日本語は本当に見えない「氣」のことをよく表していると、いつも感心します。
「氣」は見えないですが、皆さんは、ちゃんと感じとっています。
そんな周りからの温かな気配りや気遣いを感じられない時は、頑張り過ぎてかなりお疲れかもしれません!
自分に余裕がないと、他人を気遣ったり、気配りすることはできません。
何も特別なことではない人や自分の温かさという「氣」を感じて、ちょっと丁寧に暮らすことで心も身体も整っていきます。
漢方は、漢方薬の治療だけではなく、自然界のことを系統的な理論としてちゃんと教えてくれています。
そんな漢方の智慧を使ってあなたの体質を知ることで、日常の中で心と身体を整える方法がわかります。
ご自分の体質を知って日常の中で心と身体を整えたい方は、下記の個人セッションをご覧ください。